発表・掲載日:2024/07/22

蚊取線香ホルダーは町工場・夏の風物詩

ーー今年も文化型町工場がオリジナル作品を製作

 町工場業界の夏の風物詩、文化型町工場の蚊取り線香ホルダー製作が始まった。あっという間に夏本番となり、普段から忙しい2社は手間のかかる「作品」作りに追われている。

限定30個、受注は早い者勝ち

限定30個、受注は早い者勝ち

アルミホイール型は厚さ5mmアップ

 ナイトペイジャー(東京都大田区)は、恒例となった自動車のホイール型蚊取線香ホルダーの注文受け付けを今年も7月17日に開始した。1万1000円(税込)で限定30個。自動車ファンを中心に人気があり、今年も早い者勝ちだ。
 2020年から夏の限定販売を開始し、今年のデザインはメッシュタイプ。一体削り出しの材料の厚みを昨年より5mmアップの20mmにして立体感を強調、価格はそのままでさらに手間をかける。例年は5月の連休には試作を開始するが、今年は7月に入ってから切削を始めた。ものづくりのプロでありミュージシャンでもある横田信一郎社長の文化型町工場は忙しい。

鋼豚は品目絞ってこれから加工

 METALWORKS TAKAOKA(鹿児島県曽於市)の「鋼豚(はがねぶた)」は、これから加工に取り掛かる。鹿児島市の中心部からクルマで1時間強の工場は、約500平方メートルの土地に家屋とガレージがあり、5年前に800万円で購入。ガレージに200ボルト電圧を引き、溶接などの設備を整えた。バーナー部品などの加工と現場での溶接作業といった仕事のほか、オートバイの排気管の特注品などを作っており、工場というより工房のようだ。

METALWORKS TAKAOKAは工場というより工房

METALWORKS TAKAOKAは工場というより工房

 同社の蚊取線香立ては、直径の違うステンレスの輪を11枚溶接し独特の焼け色が美しい。日本伝統の「ぶた蚊取」の金属作品で「鋼豚」と名付けた。ネットで話題になり2021年から夏ごとに10数体を限定生産、一体3万5000円(税込)で完売している。今年はBtoBの仕事が繁忙なうえ、6月中旬に発注した材料が7月末まで届かない状況で、品目を絞り込んで生産する予定だ。

今夏は品目を絞って限定生産

今夏は品目を絞って限定生産


株式会社ナイトペイジャー
所在地:東京都大田区南六郷3-17-13
代表者:代表取締役横田信一郎
事業開始:1991年
ナイトペイジャーホームページは、こちらから。

METALWORKS TAKAOKA
所在地:鹿児島県曽於市末吉町深川2460-8
代表者:高岡司
設 立:2019年
Twitterアカウントは、こちらから。



*2023年夏の先行記事 STORY 008 作品を作る「文化型町工場」が登場 もぜひご覧ください。